ドン底の経済苦が薄紙を剥がすように解決

川原一洋さんの場合

 川原一洋さんは、昭和六十年に創価学会を通じて日蓮正宗に入信、その後、平成十三年に理境坊妙観講に入講しました。

 その当時の川原さんは、事業の失敗から借金を抱えて経済的に追い詰められ、奥さんとも別れて母親の家にころがり込むという、悲惨な状況にありました。
生計を立てるために仕事を捜しても、いのアルバイトで、いくら働いても月の収入はわずか十三、四万円、借金の返済と最低限の食費を取れば、養育費の支払いもままならない、という状態でした。

 そのため、三、四キロ離れた仕事の現場へ行くのにも、バス代がなくて徒歩で通い、食費がないので、お昼の食事は抜き、時には、あまりの空腹に耐えかねて、水をたくさん飲んで飢えをしのいだこともあったほどです。

 そのような状況にあった川原さんは、妙観講に入講したことを機に、一から信仰をやり直し、その功徳で人生を立て直そうと決意しました。

  講中の講頭からは、「折伏の功徳を積んでいけば、どのような罪障も消滅できる。時間がかかっても、今の苦しい境界は、必ず薄紙を剥がすように変わっていきますよ。それまで歯をくいしばって頑張ってください」と教えていただき、その指導にしがみつくような思いで、妙観講の講員としての信心修行をスタートしたのです。

 経済的に厳しい中でも、遠方に住む講員と共に折伏を続けた結果、学会員の一家が脱会できたり、職場の同僚や友人が入信するなど、次第に折伏が進んでいきました。すると、その折伏の功徳によって、御本尊様から思いがけない御加護をいただくことができたのです。

 その頃、川原さんは、定職に就くことを願って、いくつもの会社の採用に応募していました。書いた履歴書も五十通近くになっていましたが、年齢も四十歳を超えていたため、なかなか採用してもらえません。しかし、いつかはアルバイトでなくキチンと就職して生活を安定させ、在家信徒として一人前の御奉公ができるようになりたいと願い、日々の勤行の中で御祈念していきました。

 そのような中、ふと見た求人雑誌に、大手携帯電話会社の派遣社員の募集が載っていました。給料もまあまあでした。そこで、採用先の希望年齢からは五歳もオーバーしていたのですが、ダメもとで応募したところ、とんとん拍子に話が進んで採用となってしまったのです。

 しかも、入社後は、未経験の仕事だったにもかかわらず、すぐに仕事を覚えて順調に業績を上げることができ、それまでの、何をやっても上手くいかなかった人生が一変してしまったのです。本当に、御本尊様の御加護・折伏の大功徳だったと川原さんは確信しました。

 その後、そこから、さらに折伏が進んでいった平成二十二年、またしても、御本尊様の有り難い御加護を頂戴することになりました。

 といいますのも、この不景気の中、川原さんが派遣されて勤務する会社でも、効率化をはかるために各部署が閉鎖統合され、それに伴って契約社員の派遣切りが行なわれるようになっていました。

 川原さんも、一年契約の派遣社員で、その年には契約が満了することになっていたのですが、職場の課長から「次の移動先は探してあるから安心してください」と言われていたので、すっかり安心していました。

 ところが、九月初旬、その課長に呼ばれて、「移動してもらおうと思っていた部署が、来年三月で閉鎖されることになってしまった。今、他をあたっているけれど、難しいかもしれない」と告げられたのです。

 異動先が決まらず、契約更新ができないとなれば、新たに仕事を探さなくてはなりません。そうはいっても、すでに四十六歳になっており、改めて仕事を探すことの難しさもわかっていましたので、とにかく、御本尊様にすがってこの解決を願っていきました。
 川原さんは、総本山に登山をし、を惜しんで唱題し、御祈念していきました。そして、お登山から帰って数日した日のことです。

 課長から呼ばれ、「自分が以前いた部署で、今月、契約が満了となる人がいるので、その代わりに行ってもらえないか。ただし、その部署に行くためには、現在、所属している派遣会社を変わる必要がある」と告げられました。

 川原さんは本当に驚き感激しました。会社としてリストラが進められ、契約を満了した派遣社員が次々に切られて行き先を失っているなかで、働ける場所を与えていただけたのです。

 給料等の雇用条件については一週間後に正式に決定するということだったので、その日まで油断できないと思い、日々、二時間の唱題をして御祈念するとともに、折伏・育成に励んでいきました。

 そして一週間後、提示された契約書を見た川原は、一瞬、我が目を疑いました。何と基本給が月額十三万もアップしているではありませんか。結果的には、契約更新によって給与が四十%もアップしてしまったのです。
 この、たび重なる御本尊様の御加護によって、若い頃より悩んできた経済上の問題は、完全に解決してしまいました。

 それからは、御本尊様への信心を根本に、仕事にも精いっぱい励み、昨年には、官公庁関係の設計コンサルの業務で一億二千万円の工事を成功させることができました。
 すると、その仕事が評価されたのか、今度は、突如として、私を正社員として雇用したい、という話が持ち上がってきたのです。

 後日社長との面談があり、「会社の規定では、正社員を雇用する場合の年齢制限は四十二歳までとなっているけれど、大きな実績と特別な能力がある者はその限りではないとの規定もある。君は、この規定に該当する、会社に必要な人材である」と評価され、正社員としての雇用が正式決定しました。

 満足できる収入を得られるようになったとはいえ、派遣社員のままでは、会社の都合次第でいつ切られるかわかりません。そんな不安定な待遇から、安定した正社員になれたのです。これこそ、本当に長い間、願い続けてきたことでした。

 現在、入講当時、三人から始まった川原さんの折伏系統は、現在、151名に達することができました。 川原さんは、この大恩に報いるため、そして、さらなる罪障消滅のために、さらなる折伏を決意しています。