舌小帯切除手術後に再び癒着した、舌癒着症が自然治癒

―  渡辺英知さんの場合

 渡辺さんは、結婚三年後に念願だった長男を授かりました。
  それからは、日々、子供の成長を楽しみにしていました。ところが、なかなか体重が増えません。発育の遅れに不安を覚えて、病院で診察を受けたところ、舌癒着症(ぜつゆちゃくしょう)という、一種の奇形であることがわかりました。
  舌癒着症とは、舌の裏側と顎を繋ぐ舌小帯(ぜっしょうたい)が、通常より短いため、舌が顎に癒着してしまった状態をいいます。そのために舌を上手く動かすことができず、呼吸障害を起こしたり、ミルクも十分に飲めないので、発育が遅れてしまうのです。
  渡辺さんの子供の場合、特に癒着の度合いがひどく、呼吸が十分にできないことから、身体に多大なストレスが加わって苦しんでおり、また、授乳にも四時間もの時間がかかって、奥さんも身心ともに疲れ果てていました。これはもはや手術で切開するしか治す方法はない、という診断を受けました。  
  そこで、悩んだ末、舌小帯を切断する手術を受けることにしたのです。生後八ヶ月のことでした。  手術は無事に済み、一週間後の検査でも何の問題もなかったので、これで治るものと期待していました。ところが、一ヶ月が過ぎた時に舌の裏を見たところ、何と、顎と舌の裏が再びべったりと癒着しているではありませんか。しかも、それは手術する前より、いっそうひどくなっていたのです。
  もはや打つ手はなく、渡辺さん夫妻は、舌が癒着したままの状態に不安を感じながら、子育てをしていくしかありませんでした。
  やがて、成長するにつれ、舌癒着症からくる障害と精神的ストレスは、顕著にあらわれてきました。  子供は、言葉を上手く話すことができないストレスから、自分の意にそぐわないことがあると、ところ構わず大の字になって泣き叫び、自分の頭を床や地面に打ち付け、その痛みで、また泣き叫びます。  その都度に、まるで幼児を虐待しているかの視線を浴びながら、泣き叫んで暴れる我が子を苦労して連れ帰らなくてはなりませんでした。

  こうして、平成十九年の正月、渡辺さん夫妻は日蓮正宗の総本山に参詣しました。そして、心機一転、必ずこの問題を解決させていただこう、この信仰にかけてみよう、と固く決心したのです。それからは、身を粉にして仏道修行に励んでいきました。
  その最中の一月下旬のある日、職場にいた渡辺さんに、奥さんが泣きながら電話してきました。聞けば、「息子の口から血が流れ出ていることに気付いた。それなのに本人は泣きもせずニコニコしているので不思議に思ったが、まもなく血も止まったので様子を見ていた。そして、いつものように絵本を読んであげたところ、息子が後に続けて綺麗な発音で読んでいくので、驚いて口の中を見たところ、舌の癒着がなくなっていた」というのです。

  ※本人が語る様子を動画でご覧ください

 

渡辺さんの息子さんは、現在、小学生になりました。かつて、舌癒着症を患ったなどとは思えないほど、明るく元気に成長しています。