重度の自閉症障害が改善した長女、自身のアトピーも完治

―穂積貴美子さんの場合

 穂積さんは、左胸の肋骨が全て内側に曲がって胸が陥没する、という奇形をもって生まれてきました。さらに、喘息と重篤なアトピー性皮膚炎をも発症して、幼ない頃から、胸の圧迫感と、激しい喘息の発作、アトピーによるかゆみと痛みに苦しめられてきました。
  アトピーの痒みを抑えるために使ったステロイド剤の副作用で、体力は低下し、薬を塗り重ねた皮膚はケロイド状になっていき、あまりの辛さに、「どうして、こんな醜い身体に生んだのか!?生まれてきたくなかった」と両親に対し、怒りと憎しみをぶつけるばかりでした。
  それらの悩みは、成長してからも解決することはありませんでしたが、そんな中でも、現在の御主人と出会い結婚。一見、幸せな日々が訪れたかに思えました。
  ところが、結婚後、間もなく授かった長女・佳苗ちゃんは、自閉症という病気を持って生まれてきたのです。

  自閉症とは、生まれついての脳障害で、見たり聞いたりした事を、普通の人と同じように理解することができません。そのため、言葉を覚えることも難しく、精神の成長も遅れ、普通の人間らしい会話など一生できません。現代の医学では、残念ながら原因も分かっておらず、したがって治療法もありません。
  そんな佳苗ちゃんにとって、母親である穂積さんの存在も、道端の石コロと何ら変わることなく、親として認識することさえできません。そして、たびたび大変なパニックを起こしては、奇声を上げて暴れ回り、自分や周囲を傷付け続ける、ということの連続でした。
  そのパニックは、夜になると激しさを増して、大声で叫び続けます。近所への気遣いから眠ることもできなくなった穂積さん夫婦は、次第に追い詰められていきました。
  当然、満足に働けようはずもなく、経済的に困窮していきました。それは、一時も心の休まることのない、地獄のような日々だったのです。
  やがて、佳苗ちゃんが小学校に上がると、さっそく学校で問題視され、穂積さんも、いつ起きるか分からないパニックに備えて、道具置き場で待機しなければなりませんでした。その頃の穂積さんは、精神的にも体力的にも限界を越え、「ここから逃げたい。死にたい。この子さえいなければ……」と、恐ろしい選択肢まで考えるようになって、完全なノイローゼ状態になっていたのです。

  そのような状況にあった平成10年7月、友人から日蓮正宗の話を聞きました。「この信仰をしていけば、絶対に幸せになれる。佳苗ちゃんの障害だって絶対に治るよ!」――友人の熱意に打たれて、家族そろって入信しました。
  その日以来、家族そろって日蓮正宗の御本尊に手を合わせ、毎日のお経を欠かさず行なうようになりました。すると、半年ほど経った時、最初の奇跡が起きました。佳苗ちゃんが、自分の感情を言葉で話し始めたのです。
  この驚くべき出来事に、穂積さん夫婦は、いっそう真剣に信心に励み、困難を押して、佳苗ちゃん共々、日蓮正宗の総本山に参詣するようになりました。
  そのような中、佳苗ちゃんはさらに成長し、次第に友達ともコミュニケーションが取れるようになって、仲の良い友達ができました。担任の先生や同級生のお母さん達からも、本当に大切にしてもらえるようになりました。
  そして小学3年になったある日のこと、突然、佳苗ちゃんが小さかった頃の記憶を話し出したのです。
  「ねぇ、ねぇ、お母さん、佳苗ちゃんね、昔、しゃべれなかったよねぇ。真っ暗で、怖くて、怖くて、ひとりぼっちで、いつも泣いてたよねぇ。でも、御本尊様に南無妙法蓮華経と言うようになってから、しゃべれるようになったよね」 と。
  穂積さんは驚いて、耳を疑いました。自閉症の子供が、過去の、それも全く感情を持てないでいた頃の、苦しみの記憶を話すなど、ありえないことです。
  この言葉に、自閉症によって誰にも訴えることができなかったけれど、じつは佳苗ちゃん自身が、耐えがたい苦しみを感じ続けていたことがわかりました。最も辛かったのは、穂積さんでも、御主人でもなく、佳苗ちゃん本人だったのです。
  このことを知って、穂積さん夫婦の佳苗ちゃんへの想いはいっそう深まり、親子の絆が固く結ばれていきました。
  この時を境に、佳苗ちゃんは、人としての人格を徐々に持てるようになっていきました。中学に進み、家から30分かかる通学路も一人で通うことができるようになりました。
  こうして、一気に階段を駆け上がるような勢いで奇跡の成長を遂げた佳苗ちゃんは、中学から高校へと進んだのです。

※本人談を動画でご覧いただけます



(動画より抜粋) 

「かつては、普通の会話もできず、奇声を発して暴れ、自らどうしようもない苦しみに煩悶(はんもん)していた、あの佳苗の姿からは、まったく考えられない、夢のようなことです。本当に御本尊様の功徳以外、何ものでもありません。
  そして、振り返ってみれば、私自身も、毎日血だらけになるほど掻(か)きむしり、苦しんできた、あのひどいアトピー性皮膚炎が自然に治っており、さらには喘息(ぜんそく)の発作も治まって、風邪ひとつひかない健康体となっていました。  主人においても、浴びるほど飲んでいたアルコールが全くいらなくなり、仕事の依頼が増加して、経済面でも安定しております。
  この信心をすれば、精神面・健康面・経済面と、三拍子揃って満足する、と教えられてきましたが、本当にそのとおりの結果となり、御本尊様の偉大な御力の前にひれ伏す思いです。」

  その後、高校を卒業した佳苗ちゃんは、障害者就労支援センターに就職しましたが、一生懸命で明るい仕事ぶりが高く評価されて、一般企業に就職が適いました。現在、パン屋さんになるという夢をもって、元気に働いています。