余命1ヶ月、末期の肝臓ガンから生還した父

― 東川 浩さんの場合

 平成15年6月25日、東川浩さんのもとに、郷里のお父さんが緊急入院した、という連絡が入りました。 急いで駆けつけたところ、お父さんは全身、黄疸(おうだん)で真っ黄色になり、身体も衰弱して起きあがることもできず、枯れ果てた声を出すのが精いっぱい、という状態でした。
  お父さんは、若い頃から大量にアルコールを飲み続け、もともと重度のアルコール中毒だったのです。 その時、担当医からレントゲンとCTスキャナーの映像を示されて受けた説明は、恐ろしい死の宣告でした。
  「末期の肝臓癌で、余命は一ヶ月です。すでに癌は肝臓全体に広がっており、残念ですが、もはや治療法はありません。腹水も溜(た)まっており、食道には静脈瘤(じょうみゃくりゅう)があり、また胃潰瘍もあるので、そこから出血すると、急激に血圧が下がってショック死のような形で亡くなってしまう可能性もあります。黄疸も良くなることはないでしょう」 と。
  その後、十日が過ぎた時、医師が心配したとおり、お父さんは静脈瘤が破れて二リットルという大量の吐血をし、血圧が下がって、危篤状態に陥ってしまいました。
  ただちに御住職に報告して病気平癒の祈念をしていただくとともに、東川さん、お母さん、妹さんで、泣くような想いで御本尊様に祈り、お題目を唱えていきました。
  その結果、お父さんはかろうじて命を取り留めることができたのです。
  この時、東川さんは、衰弱しきったお父さんに代わって、自分が仏道修行をし、その功徳でお父さんを延命させていただこうと心に誓いました。
  そして、先輩方の実践に習って死に物狂いで仏道修行に励んでいったところ、お父さんは、一ヶ月の余命を越えて持ちこたえることができたばかりか、その後は体調まで回復してきたのです。やがて、絶対に無理であろうと思われていた退院もでき、自宅療養しながら、通院で治療ができるようになりました。

※本人談を動画でご覧いただけます

 
(動画より抜粋)

 「自宅療養しながら週三回点滴治療のため通院することとなりました。  当初、医師からは、けっして消えることはない、と言われていた黄疸も、すっかり消えてしまい、健常人の肝臓の数値にどんどん近くなっていきました。
 また、今まで患(わずら)っていたアルコール依存症で、日頃から父は食欲もなく、酒ばかり飲むので、まともな食事などしたことがありませんでしたが、最近では旺盛(おうせい)な食欲が戻り、以前より体重も増え、「食事がこんなにおいしいと思ったことはない」というほどになりました。
 私も母も妹も「父は絶対に死ぬまで酒を止めることができないだろう」と思っていましたが、この病を契機にアルコールを完全に止めることができ、健康にも留意するようになり、その生き方すらも百八十度変化してしまったのです。
  今では、通院も週二回に減り、車の運転、仕事等、普通の人と全く変わらない生活がおくれています。」  

あれから十年近くが経ちました。78歳になったお父さんは、今なお、元気に暮らしています。